クリスマスホラー特別企画

季節は冬。止まった車の中では冷える一方なので、暖房のあるトイレを望み車を出た。



バタン!ガチャ。



男『え!?え??』



車のドアを閉めると、ひとりでにカギが閉まった。キーは車の中のまま



男『オイ!このオンボロ、マジかよ!!あ~~あ、アイツと二人きり何てマジ最悪』



文句を言いながら、男は女子トイレに入って行く。そこには仁王立ちしたさおりが、背中を向けて不動だにしなかった。



男『お、暖かいなここ。車故障しちまったよハハハ。緊急事態だから友達に連絡すっか』



さおり『……』



男『ごめん怒るなよ。場合が場合だから(チッ。盛ってるなよコイツ)』



さおり『違うの……』



男『ん?』



ゆっくり振り返るさおりの顔は、あまり血色が良くない。



さおり『何か、動けなくて……いや、動いちゃいけないような気がして……ここから早く出よう!』



男『何言ってんだよ。車が勝手に閉まって、ここしか暖をとれないんだって』



さおり『車が勝手に!?やっぱ変だよここ!さっきから誰かにずっと見られてる気がするもん!』



男『オイオイ落ち着けよ。そんな人居たらその人に助けてもらうよ』



さおり『そんなんじゃないもん!』



男『何なんだよ一体?どんなんだよ?ハッキリいいなよ』



さおり『……いい。言いたくない』



男『分からんヤツだ。(お、険悪ムード。やった!これを理由に告白は拒否しよう)とりあえず電話するわ。えーっと……Aでいいか』



プルルルルルル……プツッ



男『おーもしもし?俺俺。え?俺俺詐欺じゃねーっつーのハハハ。あのさ、今安曇野市にある山奥の変なトイレに居るんだ。おーそうそうちょっと2人で。それで車が故障して迎え来てくれない?お。いいかい?サンキュー。ん、正式な場所?分かった。またGPSで地図見て送るわ。んじゃ』



プツッ



さおり『……A君何だって?』



男『来てくれるってさ。アイツ今日確かこの辺に来てるの知ってたから、ラッキーだったな。えーっとネットで今の場所を検索しないとな』



男はGPS機能を使い、現在地を確認した……



すると……

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