クリスマスホラー特別企画
男『勘弁してくれよ……落ち着け俺。落ち着け……』
ピリリリリリリ!
男『!!』
さおり『!!』
突然鳴りだす携帯。
救世主かと思いきや、音は自分達のポッケからは聞こえない。
確認の為2人は携帯を出すが、どちらも電源は切れたまま。
すると、足元の排水溝近くに携帯が落ちてるのに気付いた。
男『何だよ!誰の携帯だよ!』
もはや、誰か携帯を落とし忘れて、それを使って外と連絡取ると言う考えはない。明らかに怪しすぎる。
さおり『何この携帯……』
最近のスマートフォンや、少し前のパカパカ携帯ではない。昔のPHSか携帯の初期のような、折りたたみができない古いデザインの分厚い携帯……
呼び主を探し続け、薄緑色の光が画面を光り鳴り続けている。
男『気持ちわりぃ!何だよコレ!』
ピリリリリリリ!
ずっと鳴り止まない携帯。
頭がおかしくなりそうだ。
男『クッソ!』
我慢の限界。
手で触りたくないので、踏みつぶそうと携帯の上まで来た時、男はディスプレイ画面を見て動きが止まる。
男『オ、オイ……どう言う事だ?Aの名前が出ているぞ?』
さおり『え?』
その瞬間、男は確かに見た。
携帯の『通話』のボタンがひとりでに沈み、勝手に電話に出た事を……
……ピッ
2人は少し携帯から後ずさり、一心に凝視している。
そこから相手からの声が漏れてきた