溺愛シンデレラ~キミとHappyWedding~
藤村のナイフを持つ手は震えている。


俺は一歩、足を進めた。


「来るな!来るなって言ってんだろっ!?」


藤村は威嚇するように、ナイフの切っ先を俺に向けて、空を切り裂くように動かす。



もう一歩…足を進めると藤村は純名を解放して、俺に向かってヤケ気味にナイフを振り回しながら突進して来た。


俺は身体を少し横にずらして、ナイフの切っ先を交わした。


次の瞬間、藤村のナイフを持つ手首に向かって右手を振り下ろした。


空手の技で言えば手刀。



ナイフは藤村の手元から離れ、大理石の床に落ちた。


カシャーンと

ナイフは音を立てて大理石の床を滑る。



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