溺愛シンデレラ~キミとHappyWedding~
優貴さんは苦虫を噛んだような顔を見せる。



「・・・スケジュール調整を怠ってしまった。すまない。辰真」



「ん、あ…で、栗原さんは何て??」


「社に戻って来いと…漏洩が会長の耳にも入ったようだ」


「えっ!?」


暢気に蕎麦を味わいながら食べていた辰真の顔が引き攣った。



「どうする?」



「独自に動くのは無理だな…」


「直接…親父に無実を訴えるか?」


「しかし…言葉だけでは…」


「誠意を持って言えば…親父だって信じてくれる…」


辰真は狼狽する優貴さんを励ました。



優貴さんは波立つキモチを落ち着かせるように瞳を伏せた。


「そうだな…利聖…本社に行こう」


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