幸運のプチトマト。

うわぁ、お母さんまたお弁当にプチトマト入れてるし……。



どうやら"お弁当の色のバランス"を気にして毎日プチトマトが入っているみたいだけど。


嫌いなものは嫌いなのっ！


｢ﾌﾟｯ……ｱﾊﾊ、里香面白いね(笑)｣

目の前でそう笑うのは、親友の鈴木珠<ｽｽﾞｷ ﾀﾏｷ>。


出席番号も前後で、入学してすぐに仲良くなった。



｢え、私何か面白いことした？｣


｢だってお弁当眺めて、嫌いなものは嫌いなのっ！って(笑)言うなら弁当じゃなくてお母さんに言えばいいのにー｣


なんか声に出ていたみたいで、珠が大笑いしながら突っ込んでくる。


｢で、何がそんなに嫌なの？｣


｢プチトマト……ひどいよね、お母さん私がトマト嫌いなの知ってるくせに入れてくるんだよ？｣


｢やるね、お母さん。トマトかぁ、私もあまり好きじゃないんだよねー。誰か食べてくれる人いるんじゃない？(笑)｣


あ、その手があったか。


実は、毎日トマトを残して帰る私に昨日、母からの叱責が飛んだのだ。

食べ物を残すんじゃない、と。



でも、珠が食べないなら他の人に頼むのも……



｢ねぇ、誰かプチトマト好きな人ー！里香の毎日食べてくれる子大募集！｣