花嫁なんてありえない!
するとヨルさんの腕の中にいた鳥さんが大きく羽を広げた。
大きな羽を広げたと思えばヨルさんの腕から離れて私の肩の上に乗った。
「と、鳥さん?」
私は少し驚いた。
鳥がこんなにも人に懐くものなんて思わなかったから。
「空海の鳥が人間に懐くとは珍しいですね」
「もう、いいのか」
「はい」
さっきまで大笑いしていたルカさんが今は初めて会った時のように優しい笑みを浮かべてヨルさんの隣に立っていた。
「それにしても珍しいです・・・」
「あの、そんな珍しいんですか?」
驚くように鳥を凝視するルカさんに問う。