愛を知る日まで
なのに真陽は
「柊くん、児童福祉関係の仕事に就いたらいいのに。」
無責任にそんな事を薦めてくる。
勝手なコト言うなって。俺みたいな人間がそんなまともなコト出来るわけないだろ。
どこで何をしてたって、あの忌まわしい日々が呪いのように付きまとう。
金もなけりゃ支援してくれる人間もいない、天涯孤独。おまけにまともな仕事に就くには圧倒的に俺には常識が無い。社会性も無い。
蔑まれる。どこへ行っても。
彰の云う通り、俺たちみたいな人間に居場所なんかない。もう諦めてるんだ。俺なんか誰もまともに見てくれないって。
真陽みたいな人間に会えたコト自体、奇跡だったんだ。
今更、まっとうな世界で往きようともがいて、蔑まれながら努力して、それで何になるってんだよ。
ほっといてくれ、もう。
「真陽のおせっかい。せっかく久しぶりに会ったのにそんなつまんない話すんなよ。」
俺がつまらなそうにそう言うと、真陽は黙ってしまった。
…心配してくれてたのに悪かったかな。でも。
生まれた時から、住む世界が違うんだ。
無茶言わないでくれ。