愛を知る日まで
いつもよりちょっと念入りに身支度を整えて部屋を出る。
ジリジリと暑いアスファルトの上を歩く時でさえ足取りが弾む。
スゴい。俺、今からデートに行くんだ。
真陽と一緒にお祭りに行けるんだ。
二人で綿あめとか食べたりするのかな。
一緒に花火とか見れんのかな。
真陽、もしかして浴衣で来るかな。
さすがにそれはムリか。
楽しみで、楽しみで、
俺は歩きながら自然と綻ぶ顔を、人目を気にして必死に押さえ込んだ。
電車に乗ってもウキウキ弾む気分を押さえられず、空いてる車内で俺は適当な席に座ると、ニヤけてしまう顔を隠すように俯いて目を閉じた。