愛を知る日まで
真陽。
俺らが行くお祭りは縁を結んでくれる神様がいるんだってさ。
なんかすげー偶然だよな。
このお祭り行ってさ、神様に祈ったりしたら
もしかしたら、俺たち
恋人になれる日が来るかもな。
「お兄さん、どうもありがとうね。」
「こっちこそ、いい話聞かせてくれてサンキューな。」
途中の駅で下車した婆さんの荷物を棚から下ろし、出口まで手を引いてやると、婆さんはホームに立って俺に何べんも頭を下げた。
電車が動き出すと、俺はそのままドアの脇に寄り掛かってポケットから携帯を取り出した。
さっそく、今聞いた話を真陽に教えてやろうとメールを打とうと思って。
真陽なんて言うかな。感心するかな。
それとも会ってから直接教えてやろうかな。
あれこれ考えながら携帯の画面を開くと
一通のメールが、届いていた。