愛を知る日まで
…なんだ、これ?
最初は、悪戯かと思った。
だって。
『ごめんなさい。熱がでで行けまくなりましt。本当にごめmんなさい』
こんなメール、真陽が打ったなんて思えるはずが無くて。
真陽のメールはいつだってその性格が窺えるくらい律儀で丁寧で。
けれど、そのメールは間違いなく真陽のアドレスから送られてきたもので。
それを見た俺の頭はひたすらに混乱していた。
--なんだよ、これ…?
行けなくなったって…お祭りに?
なんで?熱?真陽、病気なのか?
事態を把握した瞬間、
浮かれていた気分は一瞬で消え去った。
突然、不安と妙な焦燥が沸き上がってきて
俺はここが電車の中だと云うことも忘れて、真陽に電話をかけようとした。
けれど。
この、短い誤字だらけのメールが何を意味するのか。
あの律儀な真陽がこんなメールを送らざるを得なかった状況。
それを考えて俺は電話する事を諦めて、携帯を一度閉じた。