愛を知る日まで
「悔しいよ、真陽…。
…俺、もうやだ…。今まで…婚約者がいる人を好きになったんだから仕方ないんだって、
俺の方が後から好きになったんだからしょうがないんだって、我慢してきたけど…
……お願い真陽…。
…婚約者と…別れてよ……。」
止まらなかった。
言ってはいけない一言だとは分かってはいたけど。
彼女を追い詰める懇願だとは思っていたけど。
どうしようもなかった。
「もう、真陽が誰かのモノなのは嫌なんだ…!」
泣きながらそう訴えた俺に
けれど、現実は残酷に突き刺さる。
「…少し、考えさせて…。」
躊躇いがちにそう言った真陽の声が、俺の胸を不快に高鳴らせた。