愛を知る日まで
「そんなのわかんねーだろ。このまま施設生活になりゃ進学はさせて貰えるんだ、勝手に諦めんな。」
俺は二人の頭を再び定規でピシピシと叩いた。
「それにバカよりは利口の方が人生ちっとはマシだ。バカは食い物にされっぱなしだからな、ミジメだぞ。」
施設育ちでそんな人生を歩んだ奴等を何人も見てきた。
学歴があればいいってもんじゃ無いけど、無いよりはあった方が多分自分の身を守れるんだ。
「ここに居る間は俺がとことん付き合ってやる。だからせめて大バカから小バカぐらいになっていけ。」
頬杖をつきながら俺が言うとユウとヒデはサボるのを諦めたのか、大人しく問題を解き始めた。