愛を知る日まで
「えっ、ちょっと!柊くん!?」
俺は黙って食堂を飛び出した。
背後から三島リエの驚いた声とガキ達のざわつきが聞こえる。
もういいだろ。俺の勤務時間は終わりだ。
俺は一刻も早くここから出たいんだ。
もうこんな所にいたくないんだよ!!
怒りを籠めた早足でロッカールームに向かう。
ちきしょう!真陽の馬鹿野郎!!
馬鹿野郎!!
どうしてよりによって、俺の帰りが遅くなった日にあいつを連れて来るんだよ。
なんでこんな偶然が重なるんだよ。
畜生、本当に神様ってヤツはとことん俺を嫌ってやがる。
俺はロッカールームで自分の荷物を取り出すと乱暴にロッカーの扉を閉め早足で玄関へと向かった。