愛を知る日まで
…帰ろっかなあ。別にするコトもないし。さすがに眠くなってきた。
俺は伸びをした後、椅子に深くもたれ掛かって目を閉じた。
閉じた瞼に、今朝の真陽の姿が浮かぶ。
…最近の真陽、すげー積極的になった気がする。
思い出したのは、華奢な身体で俺に跨がって朝日の中で扇情的な姿を見せた数時間前の彼女だった。
もっと、もっととねだるように腰を動かし身体を俺に押し付けて。二人で夢中になって求めあった。
俺は最初からがむしゃらだったけど、真陽がこんなに激しく求めるようになったのは…やっぱり、あの日から。俺を『柊』って呼ぶようになった後からだと思う。
そして。
身体の激しさに反比例するように、抱いてる時の彼女に俺は何処か虚ろなモノを感じていた。