愛を知る日まで




「バカみてえ。やっぱ俺眠いんだ。もう帰ろ。」



なんだかイヤな考えに傾いてしまった頭を一度振って、勢いよく立ち上がった。


と、ほぼ同時にスタッフルームのドアが開く。



「あ、柊くん終わった?」


ぴょこりと顔を出したのは長い髪をゆるりと結んだ三島リエだった。


今日の日勤はこいつと濱口さん。確かさっきまで一緒に遊戯室の掃除をしてたと思ったけど。



「ん、大体出来たよ。こんなもんでいいだろ。」


机の上のハサミや紙屑を片付けて、出来上がった紙の葉を段ボール箱に移す。


近付いてきてそれを見た三島リエが


「うん、こんだけあればいいかな。」


とひとりごちて頷いた。





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