愛を知る日まで
それを聞いて、少し考えてしまった。
真陽じゃなきゃダメな理由は自分では分かってる。けど、この女じゃダメな理由ってなんだろう。
もし、俺が真陽に惚れる前にコイツに告られてたら。俺はこの女を好きになっただろうか。
顔を上げて天井を見つめながら少し考えてみて、そしてアッサリ答えは出た。
「真陽がいなくても、俺、アンタにはホレなかたと思う。」
まあ、それでもヤりはしただろうけど。と言う台詞は付け加えずに口の中で消した。
「俺、アンタの何でも勝手に決めつけるトコロ嫌いだ。俺の事もここに来るガキの事も、アンタはどっか決めつけてる。コイツらは不幸だって。そんで何が幸せかってのも決めつけてる。
そういう考えを持ったアンタともし付き合ったとしても、俺もアンタも幸せにはなれねーよ。俺はアンタの理想にはなれない。」
せっかく一生懸命考えて言葉にしてやったのに、三島リエは俯いて顔を覆ったままウンともスンとも言わなかった。