愛を知る日まで
「…俺、本気で心配してるんだからな。」
今度は茶化さず言うと、真陽は困ったような笑い顔になり
「ごめんね。でも大丈夫だから。最近結婚式の準備で忙しくて痩せちゃっただけだから、すぐ戻るよ。」
そう言って俺の背中に手をまわした。
「そんなに忙しいなら結婚式なんて辞めちゃえばいいのに。」
抱き寄せられるように身体をくっつけると、二人の肌の温もりが交じりあった。
「ごめんね。私、柊に心配かけてばっかりだね。」
優しいはずの真陽の声に、胸が切なさで締め付けられる。
どうしてだろう。
俺が彼女を心配するコトが、彼女を更に追い詰めている気さえして。
「…ちゃんと飯食えよ。」
せめてもの台詞さえ吐き出すのが苦しい程、今夜は切ない。
だからかな。
こんなに俺たちが必死で求め合うのは。
切なさを掻き消すように、
狂おしい程彼女を熱く抱いた。