愛を知る日まで





ーーー…孕ませたい。



彼女の体温に身を沈めながら、ふいにそう考えるようになった。




普段は、そんなコト思い付きもしない。

むしろこの俺が子供を、なんて想像もしたくないのに。



真陽を抱く度に、どうしようもない切なさが頂にまで昂る度に、そう考えるようになってしまった。



それは本能だったのかもしれない。

本人の思考に関係なく、遺伝子を遺したいという生き物の純粋な。


あるいは。独占欲の骨頂だったのかもしれない。


マーキング。

彼女のなかに俺のすべてをぶちまけ

汚し

塗り替え

そして

その証を、遺す。


俺と彼女がまぐわった隠し様の無い、証。



もちろんそんなコトになれば大変な事態になる事は百も承知だ。


でも

熱く真っ白になっていく頭は、ただひたすらに目の前の彼女を求めていて


ーーーこのまま、孕めばいいのに。


純粋で不埒な想いは

昂った熱と一緒に虚しく薄い避妊具の膜へと吐き出されていく。







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