愛を知る日まで
真陽は、色々なコトを俺に教えてくれる。
いつだって優しく丁寧に。
俺は彼女のそういう所がたまらなく好きだった。
知識とかじゃなくて…なんて言うんだろう、まるで俺の人としてのピースを埋めてくれるような。
歪な環境で育ち、人として必要なピースをほとんど持ってなかったスカスカな俺を、丁寧に一つ一つ満たしてくれていってるような。
そんな言葉で言い表せない不思議なものを俺は感じていた。
そしてきっとあの日
彼女は俺に最後の、一番大きなピースをくれた気がする。