愛を知る日まで
「枯れ木じゃないよ。柊(ヒイラギ)って冬の寒さに負けない立派な葉を付ける強い木だよ。雪の中でも強くて凛とした濃い緑の葉っぱは、柊に似てると思う。」
それは、寒い夜に真陽が教えてくれたコトだった。
---柊(しゅう)。
俺がただひとつ、親から与えられたもの。
それにどんな想いが籠っていたかなんて
親に捨てられた俺には考えた事も無かった。
こんなの、枯れ木みたいでイヤだ。そもそもおくるみに書いてあっただけの名前が、本当に俺のものかも怪しい。
ずっとそんな風に思っていたのに。
---雪の中でも強くて凛とした濃い緑の葉っぱは、柊に似てると思う---
真陽が、そう教えてくれたから。