愛を知る日まで





---強い子になれと、付けられた名だったのかも知れない。


降り積もる雪の中でも、凛と生きろと。




もしかしたら、ただひとつ


想いを籠められた贈り物だったのかも知れない。







生まれて初めて、親の事を思った。


恨み、蔑み以外の思いを、初めて持った。



望まれないで生まれたこの命を

ずっとあきらめて否定してきたこの存在を

俺は今、少しだけ、ほんの少しだけ


愛おしいと…思った。




最低な親に糞みたいな人生だったコトに変わりはないけど




まあ、生んでくれてサンキューな。








俺の心の最後のピースが、カチリと填まったきがした。













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