愛を知る日まで
後になって思う。
あまりにも幸せだから
あまりにも貴女が優しかったから
俺はちょっと甘えすぎてしまったんだなって。
その華奢な生命を削ってまで俺を温め続けてくれた貴女に。
だから、たわいない俺の一言に泣いてしまった貴女を見て
ようやく、分かったんだ。
俺が真陽を手に入れられない理由が。
「…私は…お陽様なんかじゃない…!ただの…ただの女なの…」
そう泣き叫んだ貴女の言葉を聞いて。
全てが満たされた心のピースを抱えて。
俺は、今のままじゃダメなんだって事に
やっと気付く勇気を
この時初めて、持てたんだ。