愛を知る日まで
10 愛を知る日まで
覚悟と誓い
このまま真陽に甘えていては
俺はいつまでも彼女を手に入れられない。
幸せに出来ない。
それにやっと気付く事が出来た俺は、ある日ぬくもり園のボランティアの後、園長室を訪ねた。
「…園長…相談したい事があるんだ。ちょっといい?」
「あらあら、珍しいわね。どうしたの?」
雉さんはパソコンを打っていた手を止めて快く俺を迎えてくれた。
こんな事、雉さんに相談するのは間違ってるかもしれない。きっと怒られる。
けどそれでも、俺は教えて欲しかった。
他に頼れる人も友達もいない俺は、もうこうするしかなかった。
「俺は…どうしたら真陽を幸せに出来るの…?」
変わらなくちゃいけない、きっと。
けれどどうしてもその方法が分からない俺は
雉さんの足元に手をついて頭を下げた。
「…教えて下さい、園長…」