愛を知る日まで
「真陽、好き。」
「私も。」
小さな身体を抱きしめながら柔らかい髪をサラサラと撫でる。
「可愛いな、真陽は。」
「ふふ、照れちゃうよ。」
抱きしめても抱きしめても足りないほど、好きだ。
「真陽、いい匂い。」
「もう、恥ずかしいってば。」
好きだ、好きだ、好きで堪らない。
「可愛い、真陽、大好き。」
「ふふふ。」
この沸き上がる想いを何て呼べばいいんだろう。
「真陽。」
「柊。」
ああ、俺は
この女(ひと)の全てを背負える男になりたい。
「好きだよ。」
唇を重ねながら俺は
何があってもこの女(ひと)の元へ帰ってくる事を自分に誓って
この温もりから発つ事を、決めた。