愛を知る日まで
『元カレが恐くて別れを切り出せなかった。だからキミに無理矢理モノにされてる事にして元カレを諦めさせようとした』
胸ぐらを掴み上げた俺に、女は震えながらそう陳腐な言い訳をした。
そんなこったろうと思った。どこまでクソなんだこの女。
俺が睨むと、女は恐怖を通り越して開き直ったのか
「お礼はちゃんとしたでしょ!キミだってイイ思いしたんだから文句言わないでよね!」
そう反論してきた。
汚ねえ行為の痛み分けのつもりでこの女をヤったはずが、コイツは気負うどころかそれを盾に責めて来やがった。
こんな女に突っ込んじまった事を俺は心から後悔した。いや、後悔を通り越してそんな自分を嫌悪さえする。
一発ぶん殴ってやりたい気持ちを握り締めた拳と共にグッと抑え、女の胸ぐらを離すと俺はそのまま背を向けた。
「…今までで一番胸糞わりいセックスだよ。」
忌々しい気持ちで舌打ちをしながら呟き、やり場のない拳をポケットに突っ込んでその場を立ち去った。