愛を知る日まで




どうすればいいんだろう。


俺は夜も眠れないほど考えあぐねていた。



真陽に嫌われたくない。ならば俺は何をすべきなんだろう。



生まれてこのかた、誰かに『悪いことをした』なんて思った事が無い俺は、この問題を解決する方法が分からない。


…確か、ガキの頃に学校で同級生をぶん殴った時には教師に無理矢理『ごめんなさい』って言わされたな。あれと同じでいいのかな。


大人だったら一緒に酒を飲んで仲直りするって漫画で読んだことがある。でも俺、酒嫌いだし。


難しく考えないで「嫌いにならないでくれ」って言った方がいいのか。でももし、もう真陽が俺を嫌いになっちゃってたら手遅れだよな。


考えても考えても結局よく分からなくて。なのにそれでも時間は過ぎていってしまう。


答えが出ないまま真陽と顔を会わせづらい。 けど会わないままでいるのはもっと辛い。


結局俺はギクシャクした状態のままぬくもり園に通い続けた。


心なしか真陽も俺を避けているように見えて胸がギリギリと痛くなる。


やっぱもうダメなのかな。怒ってるのかな。嫌われちゃったかな。


胸が苦しい。でも、諦めきれない。また俺に笑いかけて欲しい。


そうして苦しい逡巡をして三日目の事だった。



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