愛を知る日まで
5 Rebirth
死んででも手に入れたかったもの
その日は、朝から蝉がうるさくて。
まるで何かが壊れてしまったかのように
異常に暑い日だったのを
よく覚えている。
―――どうして俺は、今まで生きてきたんだろう。
昨日からずっと繰り返している、自分への問いかけ。
棄てられて、殴られて、嫌われて、蔑まれて。
どうして俺はそんな人生を諦めずに生き続けていたんだろう。
分からない。
今まで、自分が生きてきた意味が。
カーテンを閉めきった薄暗い部屋の壁にもたれ掛かって、俺は働かない頭でぼんやりと考えていた。