愛を知る日まで
学校に行ってもそれは変わらず、施設のガキが多く通うその小学校では俺の狂犬っぷりは知れ渡っていて、そんなのに関わろうなんて思うヤツは誰もいなかった。
友達?
仲間?
そんなものはいらない。
欲しいのは誰にも屈しない強さだけだ。
生きたい。
暴力にも孤独にも負けずに生き抜いてやりたい。
夢も希望も持ったコトさえねえけど、それでも俺は生き抜いてやりたいと強く思っていた。
生まれてこのかた、優しさなんて知らなかった。
温もりなんて、与えてもらった事も無かった。
だから、誰かを愛するなんて出来るはずも無かったし
他人は皆、憎しみか無関心かのどちらかでしかなかった。
---消灯時間の過ぎた真っ暗な部屋で俺は未だ血の滲む頭を抱えながら、その目だけは殺意にギラギラさせていた。
「…殺してやる…絶対に…」
血が巡る度にズキズキと痛む怪我は俺の中の憎しみを高めていく。
「…ちきしょう…どいつもこいつも死ねばいい…!」
10歳の心は真っ黒に塗り潰され過ぎていて、もう涙の一粒すら流れる事はなかった。