愛を知る日まで
思いの丈の全てを吐き出して真っ白になった頭に意識が戻ると、薄暗闇の中で組み敷いてる真陽と目が合った。
少しだけ照れたようにゆったり笑ってくれた顔が可愛くて、唇に、頬に、瞼に、何回もキスをした。
「真陽。好き。好き。すっごく、好き。」
自分で言っておいてくすぐったい気持ちになりながら。
不思議だな。いつもは出しちゃうと相手への興味が冷めたりするんだけど、今はこんなに真陽が恋しい。それこそ、抱く前よりも。
可愛くて可愛くて、離したくない。
俺が抱いた女。俺を受け止めてくれた女。
何事にも替えがたいほどに。
ゆっくりと身体を離しながら、自分の肌がその温もりと離れ難がってる事に気付く。
たった今抱いたばかりなのに、もう真陽が欲しい。
もう一度その温もりに埋もれたい。
欲張りな身体。自分はこんなに欲張りだったのかと驚く。
まるで際限無く欲しがるガキみたいだと、薄闇の部屋で真陽に見られないように一人苦笑いを浮かべた。