愛を知る日まで
「組ってのはいいぜ、柊。家族が出来たみたいでよ。」
部屋に半ば強引に上がり込んできた彰は、勝手に窓際に座って煙草に火を付けながらそう言った
たちまち俺の部屋に煙草の煙がくゆる。
俺の大嫌いな、あの過去を思い出す臭い。
「オヤジもアニキもいい人でなぁ。俺もこないだ、やっと下を持つ事許されたんだよ。だからわざわざお前をスカウトに来たってワケだ。」
楽しそうに喋る彰のくわえてる煙草を、俺は正面から掴んで掌で握り消した。
「くせえんだよ。俺の前で吸うんじゃねえ。」
目を見開いている彰の口から煙草をそのままもぎ取り、窓の外へと放った。
そんな俺の姿を見て、彰がニヤリと笑った。
「…相変わらず狂犬だな。安心したぜ。」