愛を知る日まで
蕃茄が教えてくれたコト
明日、返事を聞きにまた来ると言って、彰は帰って行った。
俺の手元に代紋の入った名刺を残して。
部屋に一人になった俺は、急に静かになった空間で煩く心臓を高鳴らせていた。
――本当に、真陽が手に入るんだろうか。
ヤクザになって、沢山喧嘩して、どんどん強くなったら、俺は偉くなれるんだろうか。
そうすれば、どんな手を使ってでも真陽を手に入れる事が出来るんだろうか。
そんなの、馬鹿げてると思う。
けど、初めて教えて貰えたんだ。
誰も教えてくれなくて途方に暮れていたコト。
真陽を手に入れる方法を。