『短編』秘密
それから、君は、気まぐれに理科準備室にやってくるようになったのだ。
「センセ」と声を弾ませ、天使のような笑みを浮かべながら。
だけど、理科準備室の扉を後ろ手に閉め、二人きりになると、君は少し意地悪そうな笑みを浮かべた。
「先生。そんなあからさまにもの欲しそうな顔しちゃだめだよ」
「なにを言っているの。大人をからかわないで」
そう言いつつも本当は。
君とここでいけないことをするのを期待している。
君が来てくれるのを、いつも待っている。
君は私の腰に手を回し、引き寄せると、情熱的なキスを何度も繰り返した。
私は何も考えず、ただ欲望のままに君を感じた。