もう泣かないよ
今、結婚って、言ったよね?
「俺、お前のことが本当に好きなんだ」
奏太の言葉が胸に響く。
幼い頃から、ずっと憧れてたんだ。二十歳になったら、大好きな人と結婚して、ラブラブな生活を送りたいって。
そんな想像が、世界になろうとしている。
それが嬉しくて、恥ずかしくて。
「俺は新人漁師で、収入は少ないけど、お前を幸せにするから。絶対、お前を幸せにするから。だから俺と、結婚してくれ―――」
私は、目に涙を浮かべそうになる。
それくらいに、感動したんだ。
「奏太、ありがと。私も、奏太と結婚したい。奏太以外の人と結婚なんかしたくないもん」
私の言葉に、奏太は顔を輝かせた。