もう泣かないよ
私の言葉に、美里がむせた。
『ゴホッ……う、海!?い、今なんて!?』
「だから、奏太にプロポーズされたの!」
美里が受話器の向こうで驚いている姿はなんとなく想像がつく。
でも、一番驚いているのは私なんだからね?
『頼くん!海がプロポーズされたって!』
『は!?なんだって!』
美里が、お兄ちゃんに話す声が聞こえる。
私が報告しようと思ってたのに。人に報告されちゃうと、よけいに照れちゃう。
『親父ぃ!あの海が、プロポーズされたってさ!』
『海は嫁にやらん!』
勝手に話が進められている…。