もう泣かないよ
私の言葉に、三人の目線が私に集中した。
あわわわ…なんかヤバい感じ?
「海、お前は結婚したいんだよな?」
お兄ちゃんが聞いてきた。
私は、お父さんを一度見てから、頷いた。
「私、奏太とは運命の赤い糸で繋がってるって信じてるから」
お父さんが、小さく笑った。
「奏太も、なかなか信頼できる男だ。…アイツになら、海はやれる」
さっきまで喧嘩したとは思えないんですけど…?
なんで喧嘩してたんだろ。
ふと美里を見ると、美里は誰かと電話していた。美里の電話の相手の声は、私の耳にも届いた。
『なんだと!?ホントに海、プロポーズされたのか!?』