もう泣かないよ




 何も見えない。

 なんだ、やっぱり空耳だったのか。

 俺は安堵したような…でも、あれが空耳だったことがショックだった。

 戻るか。

 俺は回れ右した。

 そのときだった。

――よく来たな。これでお前も…

 右足が、重くなる。

「なっ―――!?」

 足元を見るが、何もない。

 怪奇現象!?

 俺は、右足を引っ張る。だが、足は動かない。

――俺らの仲間だ!

 その声は、健太の声じゃなかった。


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