もう泣かないよ
「奏太!?今、なんて!?」
「――――――あり、がと…」
その言葉が、胸に突き刺さる。
それっきり、奏太は口を開かない。
「午前四時二十分、ご臨終です」
白衣を来た医者が、時計を見ながら呟く。
その言葉は、私にとっては何の意味も持たなくて。
嘘だろうって、そう思った。
聞き間違い…だよね?
奏太が死ぬなんてありえない!
でも、奏太はそれっきり何も言わない。
医者の言葉が、現実味を帯びて私の心まで届いた。