もう泣かないよ
天国に逝ってしまった奏太に心配なんてかけられないから。
私は、奏太の為にも前向きになろうって誓った。
☆
葬式の会場は、啜り泣く人たちで埋め尽くされてた。
「海!」
美里が私に抱き着いてくる。
「美里…」
「心配したけど、元気そうでよかった!」
「元気じゃないけど…奏太の為にも前向きにならなきゃね」
私の言葉に、美里は小さく笑って。
「奏太、言ってたよ。海の笑顔が好きだって」
私は、奏太の遺影に目を向けた。