もう泣かないよ



「全然。俺も今来たところだから」

 デートのマニュアル本があったら、間違いなく乗っている会話をしてから、

「どこ行きたい?」

 奏太が切り出した。

「どこでもいいよ!」

 私が言うと、奏太は困った顔をして。

「どこでも、じゃわかんねぇだろ」

「最終は奏太の家でしょ?」

「そうだよ?」

 毎回、デートの時は奏太の家に泊まる。これは、高校生の時から変わってない。

 私と奏太が付き合いだしたのは、中学三年生の卒業式の日!

 だからもう四年と少し、経つのかな…?

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