もう泣かないよ
幸助の言葉に、胸が高鳴った。
「…え?」
「奏太よりブスかもしれないし、キスも下手かもしれないけどさ。海に対する思いなら誰にも負けない」
幸助はそう言って、私を見た。
「海を幸せにする自信はないけどさ…俺が幸せになる自信ならあるぜ?」
その言葉に、私はクスッと笑った。
「あ、海笑った」
幸助は無邪気な笑顔を向ける。
「だって、おもしろいんだもん」
「やっぱ海は笑顔が似合ってる」
私は幸助を見た。
「そうかな?」
「なんたって、俺が惚れた女だしな」
自信ありげに言う幸助が、夕日を浴びて眩しく見えた。