もう泣かないよ
そう言って、美里は携帯電話を開いた。
「見て」
美里が携帯電話を見せてきた。
「ん?」
私は画面を覗き込んだ。
そこには、奏太が自分に送ったメールが表示されていた。
「これ…どういうこと?」
幸助に私が近づかないようにするって、どういうこと?
「ねぇ…これじゃあまるで、幸助が奏太を――」
私が言いたいことを察したのか、美里が頷いた。
「そ。幸助が、奏太を殺したの」
耳を疑った。
嘘だって信じたかった。
涙が止まらなくなって、景色がぼやけて見えなくなった。