【短】イリュージョンッ☆
意地悪
「真樹ぃー!」
「真樹くんー!きゃーーー!」
教室に響き渡る女子の声は夏のセミの声よりうるさい。
この日は別に特別っていうこともない。
極普通の一日。
しいて言えばもう少しで私の誕生日。
でも、そんなことほとんどの女子は知らない。
だから、これは私のせいではない。
「怜奈、あんたの旦那今日も相変わらず人気者ねー?・・・んっ!今日のクッキーいつもより出来がいいね!」
席の向かいでのんきに朝から私のクッキーでお茶をしているのは親友の綾。
「別に旦那じゃないしっ。気にならないしっ!」
「相変わらず素直じゃないんだから~・・・早く告白しちゃいなさいよ。」
「っ~・・・」
また、朝から頭を抱えた私。
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