初恋
第一章「キライなアイツ」
『ブスッ とっととどっか行けよ』
やめて....。私何もしてないよ。何でイジメるの?
かかってくる水、生卵、『死ねよ。』冷たい声。
蹴飛ばされる目の前の机、みんなの冷ややかな目
怖い。怖い。....いや、やめて...
『やめてぇーーーーーーー!!!!』
ぱっと目が覚めた。午前6時30分
「夢...かぁ。」
フッと小さく息を吐く。また、あの夢。
あれも全て、夢だったらいいのに...。
そんなことを考えながら着替えた。
「加奈ー、理沙ー、早く起きなさいよー!」
「起きてるー!」
そう言いながら階段を下りた。
「あら、加奈珍しいね。理沙起こしてくれる?」
「は~い。」
下りた階段をまた登っていく。
理沙は私の妹だ。中学3年生。
私より1つ年下。
理沙の部屋へ行くとあいにくまだぐっすり寝入っていた。
「理沙!!もう7時だよ!!」
布団を無理やり跳ね除けた。
「ん~ねむい。起きるよ~。」
理沙が起き上がるのを確認すると、
「母さーん!理沙起きたぁ!」
「ありがとうぉ。加奈、早く食べて学校行きなさい。」
「はーい。」
朝食を取って片付けをすると私は急いで家を出た。
「いってきまーす!」
家を出るとむっと暑さが立ち込めた。
駅で友達の千聖と待ち合わせしているので急いだ。
駅は結構混んでいたあわてて走ると誰かとぶつかってこけた。
あぁーもう恥ずかしい/// うつむいてしゃがんでいると
「大丈夫か?」
優しい男の人の声。 誰だろう?パッと顔を上げた
「はい。ありがとうございます。」
早口でお礼を言いペコリと頭をさげると、私は走って逃げた。だってあいつは
昔私をイジメた。
「加奈?」
聞き覚えのある声
「ちさっ!!おはよー」
「おはよー。ねぇ今、加奈イケメンくんに助けてもらってなかった?」
いきなりあいつの話。
「知らない。」
自分でもビックリするほど冷たい声が出た。
「加奈?」
「ご...ごめん。」
いそいであやまった。
「いやっ...いいケド.....。何かあったの?」
「あのね...。」
そう言いかけたとき電車が来た。
電車に乗ると私は話を続けた。
小学5年の時転校してきたアイツにイジメられ、周りの子が冷たくなったこと
、中学でアイツは別のところえ行ったからホッとしてたのに、同クラの子がみ
んなに広めて中学でもイジメられたこと。そしてアイツが山崎 優だというこ
と。
全て話終えるとちさは言った。
「ごめんね。そんなこと知らないであんなこと言って...」
「ううん。いいんだ。ちさは人生初の親友なんだ、言わなくてごめんね。」
ちさはそれを聞くと目に涙をためてギューっと抱きついてきた。
「かぁなぁ、ありがとぉ。私もあんたが1番の親友だよ!」
「もうっ!ちさっ!!はずい!!あと...それに...アイツ多分忘れてるよ。私
が顔を挙げてビックリしてたときアイツ、キョトンってしてたし。だから私も
忘れるよ!!」