初恋
第四章「初恋」
   加奈SIDE

靴箱を開けた。靴の代わりにぐしゃぐしゃの紙が入っていた。

『消えろ』『死ね』『ブス』『うっとい』『中山くんに告られてえーきになんな』  そんな嫌がらせ。

___フゥー。

ため息。 周りを見るとゴミ箱から黒い靴が見える。誰もいないのを確認して

靴をとってゴミをはらった。靴を履くとちさが来た。

「加奈ゴメンーー待ったぁ?」

「ううん、ぜーんぜん」

「帰ろっ!」

「うん」

ちさと並んで歩いていると中山くんと.....アイツも帰ってた。

「あーーー!!加奈ちゃん!!偶然だね!」

声デカイよ中山くん。 するとアイツが...

「偶然じゃねぇだろ、ずっと待ってたくせに...」

「うるさい、ゆー!!」

ずっと待ってたのか中山くん。すごい頑張りだね。

「ねぇーところで加奈ちゃん!!そっちの友達と4人で今からカラオケ行かな
い?」

「えっ!どーするちさ」

「んーカラオケかぁ!行く!!♥」

何言ってんのちさぁ!!(汗

「んじゃ決定!ゆーも絶対行くよね!」

「へいへい」

といきなり決定したのだ。

 二時間後.....

めっちゃ疲れたー

「んじゃ、帰ろー!って俺こっちだ」

「えっ、私も。加奈どーする?」

そう、アイツと一緒...でもめーわくかけたくないし...。

「大丈夫、大丈夫。ちさが帰り一人になっちゃったから、ちさ可愛いからスト

ーカーに合うかも!?だし?」

「うん、わかった。じゃね。山崎くんお願いね」

「あ、ああ....」

と、2人1組で別々の方へ行った。

...って普通にカップルみたいじゃん。なんだか嫌だなー。そう思って少し離
れた。

「って、アンタって引っ越したんじゃないの?」

「ああ、1回こしたけど、また戻ってきた」

「ふ~ん...。」

しばらく続く沈黙。何か話せねば...。

「今日はありがとね。助けてくれて。」

「ああー。たまたまサボろーとしたらフラフラのお前から...別にいいよ」

また沈黙...う...もー駄目だ。

何か話してー。耐え切れない...。

「「あのさー...」」

「「どうぞ...」」

「「ブッ!!」」

「すげぇー最高記録!!3回もハモった」

「あはははっ!」

って何親しげに喋ってんだ!!

私はコイツに人生を狂わされたんだ...

「先に言っていいよ...」

優しく言ったコイツ

「別に...」

いきなりの冷たい態度にヤツはビックリしている。

「あのさ、俺『あんた』じゃなくて『優』とか名前で読んで欲しいんだけど...


「は?イヤです」

全部を拒否る私の声。 何言ってんだコイツ

「ゴメン、先帰る」

そう言って私は残りの家路を走って帰った。
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