雪降ル夜ノ奇跡
儀式も終わり礼於は銀狐の一族の住み処である、雪佳山の中に位置する“冥帝(めいてい)”の一郭で一息ついていた。


「契りを交す娘…ねぇ」


ふぅ、と紅茶を一口飲んでテーブルに置いた。


今日はもう暗いが少しだけ出てくるとするか、その契りを交す娘とやらにも興味があるし早く会ってみたい…。


「…さて、行くとするか」

ガタンと椅子から立ち上がりドアノブをガチャリと回す。


「確か契りを交す娘の胸には金色の光が宿っていると杏彗が申していたな…」


ーバタン

ドアが閉まる音と共に礼於は外へと歩いて行った。
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