雪降ル夜ノ奇跡
「私が…運命の、相……手?」


信じられないと言う顔で心菜が呟く。


「俺は契りを交わす娘を探しに森を降りてきたんだ、そしたら貴女が居た。俺もまだ信じられんがな」


はは、と陽気に笑う。


「なんだか狐に包まれた気分です。今日は今までで一番胸が高鳴るのです。」


「狐か…、間違ってはいないぞ心菜」


「俺は銀狐の末裔だからな」

それを聞いた心菜の顔にはもう恐れはなかった。


「礼於様は神様みたいです」

そう満面の笑みで囁いた。
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