雪降ル夜ノ奇跡
追手
あの夜から二日程がたったある日のこと。


「礼於!」


「ん?何だ心菜 具合でも悪いのか?」


心菜が血相を変えて部屋からすっとんできたのだ。


「外から物凄く大きな物音がしましてっ」


はあはあと息を切らしながら早口で言った。


「それは、誠か?」


僕が聞くと心菜は、はいと答えた。


ーもしや、あやつらがこの場所を嗅ぎ付けて来たのかもしれぬな。
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