わたしの居場所
彼が下を向きながら小声で言う。

ごめん、それ気づかなかった。
こんなおれって鈍いんだよね…

なんで、
病気のこと教えてくれなかったの?


また下を向いて黙った息子の代わりに…

母親が話しはじめた。


一緒にいるのに…
見えなくて何もできないで、
あなたを守れなかった自分が嫌だった。

これから一緒にいても、
迷惑をかけてしまうだけだし 。

だから…

せめてブログであなたを毎日、見守っていたんだけど。

ある日、わたしにお願いがあるって。

ぼくの分身になってちせちゃんを救って欲しいんだって。


彼女が自分の分身?

抱きしめたのも泣いたのも、
ほんとは彼の心?
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