青いブレスレット
雫
おわりとはじまり
わたしなんかを好きになってくれる人なんて、誰もいないんだ。
初恋だって、こんな悲惨な終わりだもん。
「俺、やっぱりもう無理だわ」
わたしに向かって冷たく吐き捨てるのは、わたしが初めて好きになった人。
明るくて優しくて、憧れだった。
「顔も別に好みじゃないし、ヤラせてもくれないじゃん。これ以上付き合っても仕方ねーし」
―『紗奈(サナ)は可愛いよ』
―『俺達そろそろ…いいだろ?』
わたしのこと本気で好きじゃないことくらい分かってた。
でも、いつかは、ほんの少しだけでも、好きになってくれるんじゃないかって思ってた。
「俺なんかよりもっと好きになってくれるやつ探した方がいいよ。じゃあな」
日も暮れた学校の中庭に置き去りにされる。
冷たい風だけがわたしを包み込んだ。
「・・・はあ・・・」
ため息つくと幸せが逃げるっていうけど、今はため息しか出てこないや。
大きな石の上に座って、空を見上げる。
うす暗くなってきたのに、星はひとつも見えなかった。
< 1 / 377 >