青いブレスレット

飛んできた『それ』は、わたしたちから少し離れた、木の陰に落ち、なぜかパリンと音を立てた。



「な、なんだろう・・?」


気になって近づいてみると、『それ』は硬式の野球ボールだった。



その下にはガラスの破片と、ハートとリボンがモチーフのプラスチック製の手のひらサイズのフレーム。


手鏡だったみたい。



わたしはなんとなくボールを手に取ってみた。


「紗奈、なんだったの?」


理香ちゃんも気になって近づいてきた。



「このボールで、ここに落ちてた鏡が割れたみたい・・・」


「へー・・・ボールが飛んできた先にちょうど手鏡が落ちてるなんて、運がいいような悪いような・・・」


たしかにすごい偶然。

舞華ちゃんと百合ちゃんもこっちに来た。



「大丈夫?」


「うん。でもこれ、放っといていいかなあ?」



どうしようかと4人で話していたら、後ろから足音が聞こえた。


振り向くと・・・。
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